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2011年5月12日 (木曜日)

新潟県三条市の避難所での支援活動の様子です

  5月11日(水)、弊社支援チームは新潟県三条市を訪れました。三条市には、福島県南相馬市や浪江町といった福島原発事故による避難区域の住民の方々の避難所があるという情報を得て、こちらの避難所へ支援物資のお届けをすることとしたものです。広報担当が支援活動に参加し取材を行いましたので、その模様をお届けします。

■今回訪問した避難所

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≪三条市総合福祉センター≫

配布日時:5日11日 11:00~11:30

配布内容:野菜ジュース160本・インスタント味噌汁320食・インスタントシチュー160食・半生菓子(どら焼き)160個

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≪三条市勤労青少年センター≫

配布日時:5日11日 14:00~14:30

配布内容:野菜ジュース76本・インスタント味噌汁152食・インスタントシチュー76食・半生菓子(どら焼き)76個

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≪農業体験交流センター≫

配布日時:5日11日 14:00~14:30

配布内容:野菜ジュース35本・インスタント味噌汁70食・インスタントシチュー35食・半生菓子(どら焼き)35個

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≪三条市体育文化センター≫

配布日時:5日11日 15:30~16:00

配布内容:野菜ジュース95本・インスタント味噌汁190食・インスタントシチュー95食・半生菓子(どら焼き)95個

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支援チームは、まず、前日10日に出発し埼玉県の倉庫へ向かいました。支援物資は、まずはここに集められ、ここからワゴン車で物資を運び、各地を訪問します。

お届けする避難物資は、避難所の皆様が、必要な分をお持ちしやすいよう、袋詰めしてお渡しています。その袋詰めの作業もあらかじめ倉庫内で行い、それから積み込みを行います。

この日は燕三条駅付近に一泊し、翌朝から避難所への訪問を行います。

Img_0802 Img_0804                                             倉庫より支援物資の搬出。

最初に訪問した三条市総合福祉センターでは、支援チームが到着した頃、近隣の幼稚園がボランティア訪問を行っており、園児の皆さんによる歌のプレゼントが行われていました。また、この日は、三条市出身のカメラマンによる記念撮影のボランティアも行われる予定であるということでした。

Img_0809 Img_0814                                                            最初に訪問した三条市総合福祉センター。ペット用の仮設住居が用意されていました。

Img_0819 Img_0826                               三条市総合福祉センターでの物資お渡しの様子。

次の避難所は、三条市勤労センターと農業体験交流センターを同時に二手に分かれて訪問しました。三条市勤労センターに到着したときは、ちょうど避難所の皆様が「野に咲く花のように」を合唱する声が聞こえてきました。

Img_0836 Cimg0608                   三条市勤労青少年センター(左)と農業体験交流センター(右)の訪問の様子。

三条市体育文化センターでメンバーが再び合流し、全員で手渡しにより皆様へ物資をお届けしました。日中は買い物などに出かけている方も多く、ご不在の方の分も代表者の方へお預けし、三条市を後にしました。

Img_0843 Img_0857                                        三条市体育文化センターの様子。

■避難所の皆様の声

「ここにいれば、心のケアや近隣の商店の紹介、市内巡りバスの案内など、いろいろとしてもらえます。食事にも困ることはありません。それでもやっぱり支援やボランティアなどで来てもらえると元気が出ますね。」(60歳代男性)

「このように、皆さんによくしていただいて助かっています。でも、やっぱり、家には帰りたいですね。」(40歳代女性)

「市内の避難所に入居している方のほとんどは、南相馬市の住民の方で、一部浪江町の方もいらっしゃいます。子供たちは学校、車も何台か用意して避難民の方が利用できるようにしてあるので、それを使って買い物に出る方もいて、日中は人が少なくなります。市では賃貸物件の提供も行っているため、今日は住居探しに出ている方もいます。食事はどうしてもメニューが限られてしまうので、こういった食品をいただけることはありがたいです。」(総合福祉センター事務局の方の話〔三条市職員〕)

「避難の途中で家族とばらはらになってしまい、今は一人でこの避難所に住んでいます。」(30歳代女性)

「ダイナム燕店のファンです。こちらでも、ダイナムをご存知のかたはけっこういらっしゃいます。」(事務局男性)

「これだけもらったら、ダイナムのお店に恩返しに行かなきゃね。」(40歳代男性)

「今最も課題となっているのは、避難している子供たちの今後の学校教育に関することです。今は三条市内の学校に通っている状況ですが、うまくなじめない子も出ています。三条市が市内の住居物件の手配を実施してくれているほか、南相馬市でも仮設住宅の応募の第2陣が開始されることろです。県外の親戚を頼っていかれる方もおり、避難所の人数は当初より減ってきています。」(勤労青少年センター避難住民代表者の方)

「食事は朝は、パンと牛乳、あとはお弁当です。避難民の方々へ対し、市で費用を負担し、民間より借り上げた賃貸物件の提供を行っています。ハローワークでも避難住民用の求人が出ていますが、市も事務職の求人を行っており、すでに何名か応募があるようです。」(三条市体育文化センター事務局の方の話〔三条市職員〕)

「実家は津波で流され、両親は現在会津若松市にいます。こちらにいるべきか戻るべきか、ここにいるとしたらあとどのくらいになるのか、先のことがわからないので動きようがありません。すぐ戻れるものと思い、着の身着のままで来たけれど、長いようで短い2ヶ月がたってしまい、なんだか今もまだ現実ではないような気がしています。」(40歳代女性)

「今度ここを出てアパートへ入居します。いっしょにきていたおばあちゃんがインフルエンザで入院し、退院後もとても避難所暮らしはできないと思ったからです。支援物資は、とても助かります。ありがとうございます。」(避難住民班長さん)

■今回の訪問から                                    

三条市は今回の原発事故に際し、いち早く避難区域の住民の方々の受け入れに名乗りをあげたそうです。三条市はかつて大きな水害に見まわれたことがあり、そのとき全国のいろいろな地域より支援をしてもらったため、その恩返しという意識もあって支援を実施しているのだと、市の職員や近所のボランティアの方がお話してくださいました。

三条市内で新たな生活を始める方、親戚の元へ行く方、それぞれの生活を決めて避難所を退去される方がいる一方、まだまだ多くの方にとって、先が見えない状況の中、近い将来のことすら決めかねる状態であるということが分かりました。

震災からちょうど2ヶ月が経過したこの日、地震や津波による直接の被害以外にも、東日本大震災はたくさんの人々の生活に、未だに色濃く影響を残している―そんな状況を目の当たりにした今回の訪問でした。

来週は、事前のヒアリングによりそれぞれの避難所からご要望のあった、家電や生活用品をお届けする予定です。

ダイナムグループでは、今後も引き続き、地域復興に向けて取り組みを行ってまいります。

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